TIPS
・ワンバイフォーを床に敷き詰める
・側面にも敷き詰める
・断熱材も忘れずに?
TOOLS
ワンバイフォー、ドリルドライバー、電動丸ノコ、ネジ2種、シリコン、メジャー
ワンバイフォーを床に敷き詰める
まずはホームセンターで「ワンバイフォー」を買う。この板を敷いて床にするのだ。
そのまま使ってもよかったのだが、ぼくたちは色味を落ち着かせるために「防腐剤」を塗った。ふつうの塗料でもよかったが、防腐剤の色合いがしっくりきたのでこれを選んだ。ハケで塗って、それが乾かぬうちに雑巾で拭いて塗料を伸ばしていく。
塗り終わったワンバイフォーをバスの床面に敷いて並べてみる。
しかし、バスの床面にはさまざまな障害物がある。タイヤ部分の出っ張りやヒーターが突き出ていたりする部分だ。これらの障害物を避けながら敷きつめるには、ワンバイフォーを切る必要がある。まずはパズルのピースをそろえるのだ。
はじめのうちは、木をうまく切れずに刃をつまらせたりもした。しかし、あらかじめ鉛筆で引いた線に沿って、体ごと押し切るように丸ノコを滑らせることを覚えると、まっすぐ切れるようになってきた。できなかったことが、できるようになる喜び。それも、誰かに教えてもらうのではなく、自分で「こうしたほうがうまくいくのではないか」と仮説を立てながらやってみる。それがうまくいったときの快感たるや。こうしたスキルの習得こそがDIYの醍醐味だ。
次に、切ったワンバイフォーを「ネジ」で固定していく。このとき、まずは木の骨組みを敷いて、その上にワンバイフォーを貼るべきだという意見もあった(いわゆるスノコのような床にするということだ)。確かに、そのほうが床は平らになるかもしれない。しかし、ぼくたちのバスには高さが足りない。身長170cmのぼくたちでさえ、天井に頭をぶつけそうなくらいだ。骨組みによって底上げされる数センチが惜しかった。だから、床に直接ワンバイフォーを打ちこむことにした。
「ドリルドライバー」はDIYに必須。意外と安くてIKEAで2,000円ぐらいで売っていたりもする。はじめはネジをまっすぐに打ちこむのも難しかったが、コツがある。最初にゆっくり回しながら軽く木に食いこませること。そうして方向性を定めてから、一気に打ちこむようにするといい。
ゴリゴリとバスの床面を削る音がする。バスの下に潜りこんで見てみると、ネジはバスの底を突き抜けていた。しかし、これでいいのだ。ビビる気持ちをおさえてゴリゴリ打ちこんでいく。しかし、ネジが刺さらない箇所もある。床面のなにか固い部分に当たっているようなのだ。そのときはより強力なネジに変えて打ちこむ。
ちなみに、もとから空いていたネジ穴は「シリコン」で埋めてから床を打ちつけた。そうしないと走行中に巻きあげた地面の泥を車内に侵入させてしまうおそれがあるからだ。
側面にも敷き詰める
床を貼り終えたところで、側面にもワンバイフォーを打ちつけていく。
ただし床面と違って、バスの側面からネジの先っぽが突き抜けてしまっては困る。しかし、心配はいらない。どんなクルマでも側面には骨組みのような部分があり、そこにネジを打ちつけるようにするといい。少し面倒だが、ぼくたちは鉄の骨組みのありかを鉛筆でトレースしておいた。そして、それに沿ってネジを打ちつけた。
断熱材も忘れずに?
そして、はたと気づいた。「断熱材を挟み忘れた」ということに。あとから後悔することになるのだろうか。そして、「また」と気づいた。「やはり必要だ」となれば、板をはがしてやり直せばいいのだ。自分で作った物というのは勝手が分かっている。修繕が不可能なことではなく、丸1日あればできることだと分かっている。
これがDIYの本質なのかもしれない。たとえば、家づくりを工務店にまかせてしまうと、不具合が起きるたびに専門家を呼んで直してもらわなければならない。それに、不具合の理由がわからないことは不安でもある。家具やパソコンだって同じだ。なんにしても既製品を買って済ますことは「リスク」でもあったのだ。でも、自分で作れば不具合を恐れる必要がない。自分たちでDIYしたバスなら、自分たちであとからでもなんとでもできる実感がある。この手ごたえがある限り、後悔はありえないのかもしれない。